The history of tea 茶芸師の本棚

偶然の産物・・・ではなく!

投稿日:

ラプサンスーチョンという紅茶があります。

独特の燻した香りが印象的なお茶ですが、お腹のお薬「正〇丸」の香りに似ていることでも有名なお茶です。
ヨーロッパではオリエンタルな香りの紅茶として人気だそうですが、このお茶の故郷をご存じでしょうか・・・? と、カンの良い方は私が書く時点で「中国産」とお気づきですよね(笑)。

そしてこのラプサンスーチョン。 中国では「正山小種」と呼ばれています。
中国のお茶は名前でその産地が分かるものがとても多く、「雲南プーアール」はその代表格ですし、同じ中国紅茶の「キームン」(漢字では祁門)もそうです。 安徽省黄山市祁門県がキームン紅茶の故郷です。
では、正山小種はどこに地名が入ってるの? と思いませんか? 「正山」とは、福建省にある武夷山のことなんです。 そして「小種」とは「野生」という意味で、「正山小種」とは、武夷山が産地の野生紅茶、という意味になります。

そのあたりを詳しく書いてあるのが磯淵 猛氏のこの本です。 そして、お茶の名前を勉強していた頃の話ですが、「正山小種はヨーロッパでラプサンスーチョンと呼ばれています」と覚えたのですが、どうやら厳密にはイコールではないらしい、というのも磯淵氏の本で知りました。 ヨーロッパ人たちに紅茶が普及し始めた頃の世界情勢を振り返ると「さもありなん」と思ってしまいますが、それはさておき。

以前、「正山小種」と「ラプサンスーチョン」を同時に飲み比べたことがあります。 同じお茶なら同じ味がするはず! と。 もちろん、ロットや製茶時期、製茶工場などの条件で多少の差が出る事は折りこみ済みです。 で、結果どうだったかというと・・・「ラプサンスーチョン」は確かにお腹の急降下に良く効くお薬を彷彿とさせる味でした(笑)。しかし、正山小種はそうではなかったのです。 何故なのかそのときには分からず、この問題はしばらく棚上げにしていました。 で、この問題も磯淵氏の本で答えを見つけることができた、というわけです。 答えが知りたい方はどうぞ直接私にお尋ねください。 きっと「へぇーっ!」と驚きますよ(^^)

学校で習う世界史の表舞台には中々登場しませんが、「茶」は大きく世界の流れをかえてきたのが良く分かります。 お茶というフィルターを通すと、歴史が生き生きとして感じられますネ。
色んなことは偶然の産物ではない、とつくづく感じます。

kimg0740

広告




広告




-The history of tea, 茶芸師の本棚

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

龍井と龍亀

中国ドラマから見えてくる「茶」と「歴史」

皆さんは歴史は好きですか? 歴史といえば、私は学校に通っている間は面白いと思った事が一度もなく(その考えと成績は見事に同期していました・笑)、大人になって中国茶講師という仕事を始めてから初めて「面白い …

no image

本を50冊程処分しました。

ある人から「情報は生もの」という言葉を聞いて以来、定期的に所有している本の入替をしています。 一時期と比較するとペース、冊数が激減したとはいえ、今回は50冊程手放す事に。 そして、それと入れ替えるかの …

no image

お茶と砂糖は歴史を動かす!?

皆さんは「歴史」、お好きですか? 私が学校に通っていた頃はイイクニ(1192)作ろう鎌倉幕府だったのが、今はイイハコ(1185)に変わっているそうでそういや徹夜で年号覚えていたのに、大人になってさっぱ …

no image

本場と日本の違い

読了! この本も中々読み応えがありました。 お茶にとっても詳しい方のブログでこの本の存在を知りまして、早速取り寄せ~。 「本場」というタイトルなだけあって、淹れ方や歴史、茶器の説明などはとても詳しく、 …

no image

「煎」じる茶と煎茶

BSジャパンで現在放送中「琅琊榜(ろうやぼう)―麒麟の才子、風雲起こす―」にハマっています。 中国の南北朝をモデルにした架空のお話だそうですが、全く架空というわけではなく、歴史に沿いつつ・・・という体 …

【スポンサー】

人気ブログランキング

ノベルティや販促品をお探しの方は・・・


@siyong_ka

アーカイブ

記事カテゴリー